The Hours
昨晩、時間について少しだけ想いを廻らせたことの続き。
時間といえば、私が昨年観た映画のベスト1は「めぐりあう時間たち」(The Hours)という映画です。2003年のアカデミー賞では、全9部門にノミネートされ、映画の中で、ヴァージニア・ウルフ役を演じたニコール・キッドマンが最優秀主演女優賞を受賞したので、覚えていらっしゃる方も多いかも知れません。
これは、三つの時代、三人の女性が、それぞれに迎えるある何気ない一日を描いています。何気ない一日でありながら、それは実は、まったくもって何気ない訳がなく、何気ないかのように始まった朝、そして人生が大きく大きく変わる一日。その時間がめぐりあう中で、いつの間にか三人の女性の中に、自分もいることに気づいてゆきます。見終わった時、とにかくはらはら、はらはらと泣けてきました。
あまりの素晴らしいできばえに(ます2001年のニューヨークで編集者として生きる女性を、メリル・ストリープ、1951年のロサンゼルスで平凡な主婦として生きる女性をジュリアン・ムーア、そして1923年のロンドンで「ダロウェイ夫人」を執筆する作家・ヴァージニア・ウルフを演じたのが、先にも述べたニコール・キッドマンという豪華キャスティング!!)、暫く席を立てなかった程。演出も、台本も、そして映像もすべてが素晴らしく、映画が終わってパンフレットを購入してはじめて、この映画の原作を、私がずっと昔から好きだったマイケル・カニングハムという作家が書いていることを知ったのです。
私はマイケル・カニングハムの「この世の果ての家」という物語が大好きで、こんな小説がかけたらいいなぁとずっと思っていたのですが、この映画の原作が彼のものだと分かって、俄然、その原作を読みたくなり、手に入れたのが、原書のペーパーバックと、そして翻訳本です。
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もちろん、後ほど、DVDも手に入れました。
これは、何か自分の人生が、自分のものでないかもしれないと、日々の中で、ほんのちょっとでも感じたことのある人なら、特に女性は共感できる部分がある作品だと思います。
自分に与えられた時間の中で、私たちは本当の自分を生きているのか。
そんな問いかけを、知らず知らずにしている自分に気づきます。
もし、機会があったら、ぜひ、ご覧になってください。本当は暗い劇場の広いスクリーンで観て欲しいのだけど、でもたまには、一人、部屋の片隅で、自分だけのためにそんな時間を費やしてもいいのではと思います。そのとき、あなたは新たな時間とともにいる…。
And here she is,herself,Clarrissa, not Mrs. Dalloway anymore; there is no one now to call her that. Here she is with another hour before her.
“Come in,Mrs.Brown.”she says. “Everything's ready”
そしてここに彼女、クラリッサがいる。彼女は最早、ミセス・ダロウエイではない。彼女をそんなふうに呼ぶ人はもういない。ここには、新たな時間を手にした彼女がいるのだ。
「こちらへどうぞ、ミセス・ブラウン」彼女は言った。「全ての準備は整っています」
〜The Hours:めぐりあう時間たち より〜

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