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January 16, 2005

1月12日、そして15日

akari

 1月12日は息子の17歳の誕生日だった。その日、私は東京に出張だったので、多分、はじめて彼の誕生日を彼と一緒に過ごさなかった。それが、彼が一歩、大人に近づいたということだろう。12日の朝、前日の夜に買っておいたケーキを彼に渡した。
「ごめん、今日、一緒にお祝いできないけど、ケーキ、食べてね」
 彼は、うん、と極めて普通に返事をした。多分、悲しいとか切ないとかって気持ちはないと思う。だって、彼は、すっかり自分の好きなことのために時間を費やす喜びを知っているから。もしかして私よりもずっと。
 だけど、彼はとても私を大事にしてくれる。向き合うと、空手チョップとか、バトルゲームのけりを入れるまねをするけど、でも、偶然、その手足が私に当たってしまった時なんて、笑いながら、やばい!って顔、ちゃんとしてくれるし。
 彼は私に「かあちゃんは、正義感が強すぎる。そんなふうだと疲れるよ」と言う。そうか、そうかもしれない。彼からそう言われると、すこしほっとしている自分もいる。でも、そんなふうに生きてきてしまった自分をなかなか変えられない。なかなか変えられないから、時々、滅茶苦茶、疲れてしまう。だけど、そういう時、彼は何も言わない。何も言わずに、先日も、私が忙しくて出せないでいる書類の宛名書きを頼んだら、ものすごくしっかりとした字で書いてくれた。差出人の住所、氏名もちゃんと書かれていた。息子が書いた、私の名前が、なんだかちょっぴり照れくさそうにそこにあった。

 そして1月15日は、父親の10年目の命日だ。
 父のことは、いつか、ちゃんと書き留めておきたいのだが、その死はとても突然で、かつ、お葬式の朝、阪神大震災があったため、より劇的なこととなった。このことも今はまだ書けないけど、もう少し時が発酵したらきっと書けると思う。
 15日、父のお墓に、母と息子と3人で行った。
 母が「もう10年なんて、はやいねぇ。あっちゃん(息子の名前)がもう17歳になったかと思うとそれだけの時間が経ったって思うけど、でも、やっぱり早いね〜。いろいろなことがあったけど、本当にあっという間だった」と、墓前で呟いていた。
 うん、何と言えばいいのか、はやいというより、まるで昨日のようにすべてがそこにある、と私は思った。
 父の墓を去る時、父が私の背後で呼び止めているような気がして、何度も振り向いてしまった。父の肉体は亡くなったけど、やはり、父は、存在している。私の中に、私の世界に。
 そして、目の前の息子の中にも。
 そんなふうにして時の流れに想いを馳せるとき、どんな哲学書や詩を読むよりも、ずっと深遠な詩を感じる。私は、父を思うとき、いつもその「時」に触れながら、悲しみや喜びや、愛しさや憎しみが一緒くたになった、こころの不思議さを思う。同時に宇宙や自然のあまりの不可思議さも。
 本当に、生きていられる限り、この時を大切にしたいと思う。
 そして私のまわりの大切な人々もまた、一分、一秒でもその素敵な奇跡のような人生を、時を、長く、豊かに、過ごしていってほしいと願うのだ。

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