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July 19, 2006

itohen、訪問記

 先日、大阪にある「itohen(いとへん)」というとっても素敵なブックカフェに行った。というのも、数年前より家田紙工さんの1/100brand で和紙あかりをデザインしていただいている羽良多平吉さんの個展「未来のイヴ」が開催され、和紙あかりの新作なども展示されることになったから。

Harata_icon

 オープニングには、個展の音響デザインをしたAricoのライヴも行われ、本当に心地よい風を味わって来ることができた。

(http://www.skky.info/itohen/gallery/hq_harata.html のサイトで展覧会の様子や、画像なども見ることができます。)
 itohenは、アートディレクターの鰺坂兼充さんを中心としたクリエーター集団・SKKY(有限会社スカイ)のメンバーが運営しているブックカフェ&ギャラリーで、建物がそのままつながって裏が彼らのオフィスになっている。
  そこには、彼らのイズムや、クリエイション、好きなこと、モノ、人、気分などがそのまま現れていた。まるで日々が珠玉のワークショップやインスタレーションみたいな「場」としての「作品」のように。
 もともと私はブックカフェが好きで、もとをたどれば、20代の頃NYで見たライブラリーカフェ、パリのアーリキュアルのブックカフェ、そしてサンフランシスコのブックカフェ&ギャラリーに影響を受け、いつか自分もそんな場所をつくりたい、、、と願ったものだ。
 数年前、名古屋駅にある某大型商業施設のプランニングの仕事をさせていただいた時は、そんなイメージを結集させたカフェを作ってもらった。(残念なことに今は有名中華のお店になっています。私はあのカフェ、気に入っていたのですが、ちょっと時代が早かったのかなぁ)
 でも、よくよく考えてみたら、商業施設で、揺れるような感性を表現するブックカフェのようなエッセンスをキープすること自体が無理だったんだなぁと今は思う。
 密かな風の揺らめきにも似た心のざわめき、それは、大好きな本の1ページをめくるときの感触に似ている。
 その繊細な心持ちや表現は、いつもは見せない横顔のようなもので、月夜のさえざえとした光のように、実は、鋭い刀のような透明でまっすぐな「好き」や「嫌い」だったりするわけで。

Eve_itohen_6

 そんな表現に出会うことは、とってもまれ。だからこそ、その貴重な感覚を、<自分>に取り込んで、満足して、また新たな本の背表紙を探すような、そんな旅に出ることができるのだ。
 そんな場所では、コーヒーも紅茶も、本当に美味しくないと駄目なんだ。私の好きなオーガニックコーヒー、Dカフェでね。とか、ホントにアッサムでちゃんと煮出したロイヤルミルクティとか、密かにきんきんに冷えたヴーヴ・クリコが飲めるとか、、、そんなコトごとだって大切になる。
 もちろん、椅子の座り心地とか、壁に掛けられている絵や、小さなオブジェのチャーミングさ。そして何より、目の前に広がる「本の海」の表情には、遠く抜ける秋の空のような清々しさもなくてはならず、だからこそ、ここでしか出会えないと直感し、つい、手が伸びてしまう、運命の本、の、存在。
 クール&リラックス&リリース。
 「I shall be released」な風が、吹いている、ゆるゆるとした心地よさ。
 art, heart,earth みんな揃ってる、そんな「sense of place」。

Eve_itohen_5

 itohen は、そんな場所だったんです。本当に驚きました。
感謝しました。そんな場所に私を導いてくれた、みんなに。
(もちろん、そんな場所を創ってくれていた、みなさんにも)

『モーブージュ街の、家具一つ無い空虚な部屋の凍りつくような恐ろしい寒さの中で、彼(リラダン)は床に腹這いになったままインク壺の底に残った数滴のインクを水で溶かして、<未来のイヴ>の長い幾章かを書き綴っていた。』 (ギュスターヴ・ギーシュ)

 羽良多さんの「未来のイヴ」が、私に見せてくれたもの。
 手漉き和紙の向こうに。 Aricoの響きとしてのサウンドの彼方に。
 鰺坂さんの笑顔や、驚くほど美味しかった小さなトマトの一片や、
 最後に買った本・「あたまの底のさびしい歌」や。

 綴れ紡ぐ織物のように、私の心の奥の奥の奥の方にひそむ小さな叫び声を久しぶりに聴いた気がした。
 ブルーの窓枠は、小さな海。風鈴が、こっち、こっちと鳴いているような、切ない喜びの一夜があった。

 Eve_itohen_4

羽良多さんの展覧会は30日までです、ぜひ、お時間ある方は、「itohen」まで足を運んでください。(写真提供:鰺坂兼充さん thanks!)

Eve_itohen_3_1

いとへんBooks Gallery Coffee 
open 12:00-20:00 月・火曜 定休日
〒531-0073 大阪市北区本庄西2丁目14-18 富士ビル1F
Tel 06-6292-2812 Fax 06-6292-2789  E-mail itohen@skky.info

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Comments

22日に行って来ましたよ!
とても素敵なお店で、
ギャラリーも何だか現実から離れてしまいそうな空間になっていて
しばらく、ポケーとしたり、打ち込みの音とカフェからの「ときあかり」の音を
脳の中でくっつけてみたりして楽しみました。
羽良多さんはお食事で外出されてお会いできなくて残念でした。
お店の方に「もうすぐ帰ってこられますよ」っていわれましたけど、
逆に緊張して無理無理!って実は思ったのでありました。笑
友達が定期的にやってるアート講座の候補地にイトヘンギャラリーが上がってるって言ってました。
あんな素敵なところでアートトーク出来きたらとても素敵だ〜って思いました。

Posted by: トコロジュンコ | July 24, 2006 06:36 PM

2006年の7月まで読み継いできました。

私の知るところ、日本は至る所にブックカフェだらけであったのでないでしょうか。世界最先進国!
私もしばしば利用しました。
私の場合、主に写真専門ですが、大抵の方は絵物語の方を読んでいました。

Posted by: ヒラメ | April 21, 2012 11:48 PM

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