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June 28, 2007

The Name apply

P1010389

 最近、偶然このブログを見つけてくれた昔の友人、知人からの連絡がしばしば入るようになってきた。
 みな、20年以上前に出会った人ばかり。懐かしいよ〜。
 ぜひ、久しぶりに会いたいな〜と思うのだけど、みな仕事が忙しい者同士なのでなかなかすぐに会う事はできない。
 こうして昔の友人、知人が、どこかで頑張っていると思えることは、凄く嬉しい。
 そんなふうに思えることが、まず、有り難い。それもこれも、こういったブログ、という「文字情報」が発光する凄いメッセージ力のお陰だ。

 でも、、そんな有り難い「文字」が発光するメッセージ力だけど、実は、とっても怖いものでもあると思う。

 例えば、どんなときでもある一定の仕事に関わったら、関わった人全員をきちんと社会に情報として伝えたい思うのに、さまざまな報道の中では、誰かが必ずその情報の中から降り落ちることがある。
 

 その一方で映画の世界は(少なくとも私が身を置いていた頃は)、どんな小さな仕事でも、きちんと仕事として行った人の名前は絶対、外さない。絶対きちんと最後に全員クレジットする。
 私自身も映画の仕事をしていたとき、たとえあっという間に流れて行ってしまっても、自分の名前がクレジットされるのを観た時の喜びは、最上級のものがあった。

 ともすると映画監督だけのものだと思われがちな映画という世界。
 でも、その大きな世界を作り上げるのに、誰一人として不要な人はいない、、というのが、チームワークを大切にし、役割分担が明確なプロ集団の集合体として成り立っている映画の現場の考え方だ。

 だからこそどんな仕事であれ名前が出るということは、自分の実績がそこに<ある>ということであり、それがキャリアとして積み上げられていくことになる。
 一方で、そこに至るまでの下積みというものが不可欠で、名前を出しても良いというまでになるための道のりは長い。

 一人前になるまでは、決して名乗らない(滅私的に奉公する事にも近い)という暗黙の了解でもあって、名前を出せるということは、まずは一人前であると認められたことであり(でも、そこから大きな文字で名前が出るようになるには、まだまだ長い道のりと努力が必要なのだ)、そのことによって仕事の責任の所在が明確にもなっていく。


 だから私は、なんらかのプロジェクトの中でちゃんと役割を果たした人は、きっちりどこでもクレジットされるべきだし、それを人に伝える事はとても大切だと考えてるし、それを実践してきたつもりだ。


 私は映画を観に行くと、どんな作品でも必ず、エンドロールの最後の最後まで、絶対に席を立たない。
 クレジットに記されたすべての人々の名前を認識できるわけではないけど、そのすべてに魂が宿り、人の存在があることを知っているから、とにかく最後まで「見続ける」。
 そんな中、昔の知人の名前があったりすると、訳もなく、胸がじ〜ンとしてしまう。
 私が出来なかったことを、彼や彼女は、ここで果たしているんだという誇らしい思い。不思議な感覚だけど、自分の事のように誇らしいのだ。


  ブログやネットの世界では、どんな「名前」や「物語」も簡単にアプライできてしまう。
 そこで文字になったものたちは、やっとの想いで文字になったものと、一見すると同様にも見えてしまう。
 メディアの報道も同様だ。
 昔は、そこに記されるためには、多分、沢山のハードルがあったはずだし、そこに載る情報の真偽はきちんと精査されたものであるはずなのに、最近は、マスメディアですら、安易な「文字=活字情報」を垂れ流していないか。

 結局、世の中は、すべてパロディなのかもしれないけれど(映画のクレジットだって、幾らでも嘘の名前を掲示することはできるわけだし)、その中でひとつ、ひとつの文字表現に、バカみたいにこだわる私は、実は、ネットやブログをどんなに使っているにしても、とっても「アナログ思考」な人間なのかもしれないなと、間もなく満る月を遠くに見つめながら思うのだ。

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