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March 2012

March 25, 2012

岐阜県と、more treesと。

 

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 私が3年前に望み、一歩を踏み出したこと。
 それが奇蹟みたいに実現した日。

 誰もそのはじまりが誰かなんて、知らなくても良い。
 でも、それは、
 確かに、3年前のあの瞬間の、
 閃きにも似た私の一歩から、このプロジェクトははじまったんだ。

 私は、その夜、長良川を見ていた。

 金華山は闇に沈み
 月灯りだけが川面をキラキラと照らしていた。
 自転車を片手に右岸道路に佇みながら、
 その時、私は、一ヶ月程前にものすごく無防備に飛び込んだ、
 まったく新しい組織の中で、
 やるべきミッションについて悩み、漠然と考えていた。

 滔々と流れる長良川。

 その源流まで意識を飛ばす。夜の空をぐっと、深く。
 そこにある、森。源流の森。
 すべてがつながっている。

 その時、数ヶ月前に読んだ新聞の特集記事がふわっと浮かんできた。

 その記事は、北海道下川町の森が「more treesの森」第4号に認定され、
 坂本龍一さんが現地を訪れた様子とともに、
 何故、坂本さんが森の再生に取り組んでいるのか、などについて自然体の文体で書かれたインタビュー記事だった。

 坂本さんが(多分朝の)ニューヨークの街並を歩く写真とともに掲載されていて、「エコはファッション」でいい、と見出しにあった。

 その記事を読んだ時、私は、まるでデジャブにも似た、いや、デジャブにしたい気持ちで、
「岐阜にもmore treesの森を!」と想い、

 その場所にいつか、きっと「坂本さんが訪れる日」が来る事をイメージした。

 「もっと、木々を!」

 なんて素敵でシンプルな言葉だろう。

 そう、想い、森の深さ、豊かさ、それが目の前の滔々と流れる長良川につながっていることを、再び全身で感じながら
 自転車を走らせようとしていたその瞬間に、 
 「one more stay,one more trees」
 という言葉が降って来たのだ。

 最初は、岐阜をいつもより1泊多く旅したら、その分、岐阜に木を1本植よう、
 そんなプロジェクトを作ろうと思った。

 でも、よくよく考え、そして調べていくと、植林も大切だけど、
 今、必要なのは間伐すること。。
 その材を、財に変えて、循環させて、
 本物の、持続可能な森、川、海、そして人やあらゆる生き物との循環型社会を
 つくること。。そういうことも実感として分かって来た。

 じゃあ、今、岐阜県の森林行政はどうなっているんだろう。
 私の観光交流事業と結びつけていけるのだろうか・・。

 そんなこんなを考えながら、スタッフにプレゼンし、プロジェクト化にむけて
 試行錯誤の日々。

 それから、3年。
 本当に多くの時間と、スタッフの努力と、多くの人々のつながりと、

 みんなの汗と、思いと、努力が実って、
 岐阜県の加子母と東白川という二つの地域で「more treesの森」が誕生し、
 そして、自然を活用した「都市と森をつなぐ交流モデル」を構築するための
 「連携に関する包括協定」が、一昨日の2012年3月23日、坂本さんをお迎えして、
 岐阜県「more trees」とで締結することができたのだ。

 坂本龍一さんに、岐阜県を見てほしい、知ってほしい。
 more treesが、掲げる理念は、岐阜県でこそ、実践したい。

 そんな気持ちがスタートだったこの一歩。

 そして今、
 もはや私の最初の思いを超えた、多くの人々の理念や、行動の結実としての
 アクションがはじまって、動いている。

 すごい動き、静かだけど、すごいうねり。

 私の最初の思いを遥かに超えた、そんな<現実>が生じている事。
 あらためて、ひとり、静かに、深く、感動する。

 だって、もう知らないところで、本当にいろいろな人々が
 自分のプロジェクト、として、動いて、それが形になっているのだ。
 ほとんど、最初にイメージした通り、いや、もっとそれを超えて。

 すべてが自然に、流れて、つながって、ぶつかったりしながらも
 ベストなタイミングで、ひとつ、ひとつ、
 ひと節、ひと節づつ、まさに年輪みたいに刻まれて行く。

 東白川の森の看板の前では、坂本さんと、村の子供たちが即興的な、音を響かせた。
 そのときの子どもたちは、そのはじまりなんてまったく知らない。
 知らないからこそ、貴重なのだ。

 私は、そう思うだけで胸が篤くなった。

 世界はこうして動いて行く。
 命や、想いは知らないうちに紡がれて行く。

 子どもたちには、でも、あの寒空の中の演奏や、
 どうして今、自分たちがそこにいるのか、について、
 いつか、きっと、その森のめぐみについて
 あの場所で、世界的音楽家が突然のことにも関わらず、マネージャーがさっと差し出したホカロンで指を温めながらトイピアノに真摯に向き合う姿と、ともにした時間について。

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 奇蹟のようなこの二日間、その時を
 何故だか、ずっと降り続いた雨や、雹や、寒さの中、
 自宅に戻って、すっかり寝込んでしまった自分の精神と魂と体の声として、

 それは、私だけでなく、そこにいた誰もが、
 きっと、一生、忘れないだろう。

 そして私は、今、想う。
 大好きなメイ・サートンの言葉を。
 「Plant dreaming deep〜夢見つつ、深く植えよ」

 みんな、本当に、ありがとうございました。

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March 20, 2012

コルシア書店の仲間たち

 もうひと月程前になるけれども、大学院生の息子と一緒に本屋に行った際、帰り際にふと、目について購入した本が、須賀敦子さんの「コルシア書店の仲間たち」だ。

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 その表紙の装幀と、「コルシア書店」という表題に、「あ、」と思って即座に手が伸びていた。

 装幀にある彫刻は、私が20代の頃から好きだった舟越のもので、作品名はまさに、『言葉が降りてくる』、だった。

 装幀が気に入って購入した書籍で、はずれることは、あまり無い(時々はあるけれど)。
 つまり、ちゃんと装幀までこだわっている人の心がこもった書籍であれば、そのこだわりもまた、内容に重ねられる。

 世界はそんなふうにできている(はずだ)。

 須賀敦子全集の装幀にも使用されている、ジョルジョ・モランディ
 私も大好きな画家だった。
 須賀さんも大好きだったと聞いて、「なるほど」と思う。「やっぱり」とも思う。

 共通の感性、、の中で、広がる世界で味わう<freedom>。

 それはすべてを<察知>させる。

 一気に読み進んだ。
 私の心に言葉が光り輝くひとつぶひとつぶとなって、まさに降りそそぎ、拡散した。

 そして<安心>した。
 そう、心が、安らかになり、だからこそ、私の中でふつふつと芽生え始めた懐かしくも新しい感覚に、気づくことができたのだ。

 責任や、社会的ルールの中で、私自身が<果たすべき使命感のようなものの>を、
 やり抜こうという気持ち、その気持ちすら、エゴではないかとの葛藤の対象として問い続けた日々。

 時間は、凝縮されると同時に、圧縮的に無駄遣いもされる。

 が、しかし、書籍の中に息づく時間、圧倒的存在感、

 その本物としての希求する魂のありか。

 それが、「彼岸」であろうと「此岸」であろうと、
 別の語源や価値観を持つ<あなた>や<あなたたち>の塔にはのぼらないという私の<freedom>として。

 私は、私の好きな、かつ、信頼する<言葉>や<価値観>や<心のやわらかさ>や、<笑顔>の中で、
 風のような、軽やかさをもって、
 近しい語源や価値観を持つ<あなた>や<あなたたち>のように
 時を駆け抜けるジュピター的な旅人でありたいと、願う。

 そんな先人の存在に、感動しながら感謝する。

 わたしも、ずっと、そんなひとでありたい。

 「若い日に思い描いたコルシア・デイ・セルヴィ書店を徐々に失うことによって、
  私たちは少しずつ、孤独が、
  かつて私たちを恐れさせたような荒野でないことを知ったように思う」

   須賀敦子/コルシア書店の仲間たち より。


 ○「コルシア書店の仲間たち」についてご興味のある方は、
   私の師でもあるこの方のこの文章をご覧ください。

 ○また、作家・須賀敦子さんに関しては、
  ここのサイトに愛にあふれたさまざまなコメントや情報が掲載されています。

 

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March 10, 2012

お知らせです

みなさん、こんにちはchick

次第に春めいてcherryblossomきましたが、それに比例して花粉症が。。。でも、

めげないでがんばろ〜。

せっかく季節も明るくなってきましたので心も明るく、前向きに、私らしく、自由自在に軽やかに!!

 

ところで、、

最近、私のブログを読んでいただき、頻繁に感想などを
かき込んでいただけているhappy01<ヒラメ>さんから、
ご自身が企画をされた展覧会のご案内などをいただきましたので、
コメント欄に入れるよりも、こちらで
ご紹介した方が、
(数少ない)私のブログの読者の方にもお伝えできるかと想いまして、
ご紹介します。

いただいたブログのメッセージ文は、私の方で抜粋させていただいています。

なを、<ヒラメ>さんについてご興味のある方は、 こちらをご覧になるか、検索エンジンで、<岐阜><羽島><佐吉大仏>などで
検索されますと良いかと思います。

私も佐吉大仏や、花祭りは行けたら良いな〜sunと思っています。

では〜また

 

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○羽島の<ヒラメさん>より○

☆私は平成20年10月にお世話になっている尼僧の墨絵の展示会を、羽島市文化センターで行ったのを皮切りに、ほぼ二年間に数多くの展示会を企画しました。

①佐吉大仏の建立者永田佐吉に関する展示会4回

②尼僧の墨絵展(会場には尼僧の生け花をあしらう)3回
③木版画家堀江良一氏の展示会7回

これらの展示会に関する事は殆ど私一人で行いました。費用も私持ちで、版画は寄贈されたものもありますが相当数購入しました。

墨絵もそうですがコレクション展です。
上記の①は進んでですが、その他はやらなければいけない様な気持ちになって行ったという不思議な展示会です。 
しかしそのお陰で美術には興味関心の無かった私が、自分で行う事によって、相当深く知る事が出来る様になり、良かったと思います。

展示会はお金も時間も相当かかりますので今は休んでいますが、その替わり大仏寺のお堂と横にあるお茶所の中を経験を生かしてレイアウトしています。

是非見学に来て下さい。結構スゴイですよ!

☆次に、イベントに類する事で私が始めた事に、お釈迦様の誕生を祝う花祭りがあります。

これは子どもの頃、祖母が行っていたもので、近所から多くの方がみえました。
当時はまだ貧しく、やかんを持って甘茶を貰いに来られる方もいました。
私はその行事が大変懐かしい想い出として残っていました。
特にその前日、厨子の屋根を飾るために近くの野辺に祖母と共に蓮華の花を摘みに行った事が忘れられません。
そう言った私の懐旧の念と共に、今の人達、取り分け子ども達に、花祭りがあると言う事を体験的に知って頂きたいという願いから復活しました。

三年前の事ですが、数十年ぶりの復活で大変苦労しました。
出来る限り昔通りに行いたかったので、格別、蓮華の花と甘茶の確保が至難でした。

蓮華は羽島の外れの桑原町の農家で、甘茶は四国の漢方薬局から手に入れました。
一年目は祭りの日に合わせましたので、用意した数百の紙コップがあらかた無くなりました。

今年は4月29日を予定していますので、本物とは何かをお知りになられたい方はぜひ羽島市大仏寺にお越し下さい。

☆次ぎに来年2月を目指して行っている事を記させて頂きます。
それは創作能「竹鼻の大仏」(仮題)の上演です。

これは文化庁の地域活性化事業にも認可されて行うもので、
市民芸術祭のメインを飾るものです。
京都の金剛流にお願いし、専門の方をお迎えして行いますので、超本格的です。

又竹鼻小学校の能クラブでも上演する予定です。
この二つは羽島市文化センターを会場にしますが、もう一箇所有ります。
それはボランティアを募って行うもので、この舞台は大仏寺堂内、言わば佐吉大仏への奉納と言えます。考えるだにスリリングな企画です。
今は準備委員会の段階で、今月シナリオ完成予定。
来月から本格的な始動です。
お能と言うのは全国でもそう無いのではないでしょうか。是非関心を持って下さいます様にお願い申し上げます!

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